Part2 説教者カルヴァン ― 25年間、聖書を語り続けた男
- 8月18日
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カルヴァンは、なぜこれほど説教したのか
カルヴァンのミニストリーの中心にあったのは、説教でした。
神の御言葉を一節ずつ解き明かし、人々に語り続けること。それが彼の生涯の働きの中心だったのです。
聖書は神ご自身の声
ジョン・パイパーは、カルヴァンについて次のように述べています。
「聖書は神ご自身の御声であり、その聖書は神の威光を自ら証しする。そして、神の栄光こそが万物の存在理由である。だからこそ、カルヴァンの生涯は、揺るぐことのない不屈の忍耐をもって聖書を解き明かすことによって特徴づけられた。」
カルヴァンにとって説教とは、人間の考えを語る時間ではありませんでした。神が語られたことを、そのまま語ることでした。
だから彼は、人気のある話題を選びませんでした。必要とされそうなテーマを毎週考えたわけでもありません。
ただ聖書を開き、一節ずつ、次の節へと進み続けたのです。
説教の生活
カルヴァンの日曜日は非常に忙しいものでした。
早朝礼拝での説教
正午には子どもたちへのカテキズム
午後三時から再び説教
さらに平日は隔週で説教を行いました。
この働きが二十五年以上も続きます。
聖書を一冊ずつ説教した
カルヴァンは、聖書を順番に説教しました。
新約聖書では、
使徒の働き
テサロニケ人への手紙
コリント人への手紙
テモテ・テトスへの手紙
ガラテヤ人への手紙
エペソ人への手紙
福音書調和
旧約聖書では、
ヨブ記
申命記
イザヤ書
創世記
などを、一節一節説き明かしました。
そして、例えば、
イザヤ書だけで353回
申命記は200回
ヨブ記は159回
コリント人への手紙は186回
もの説教が残されています。
これは、単純に「説教をした」というよりも、一生をかけて「聖書を宣べ伝え続けた」と言った方がふさわしいでしょう。
六百年後も語り続ける説教者
更に驚くべきことに、彼の説教は、カルヴァンによって記録されていたわけではありませんでした。
その理由は、速記者ドゥニ・ラグニエ(Denis Raguenier)が千篇を超える説教を書き留め、製本して残したからです。
もし彼の働きがなければ、カルヴァンの説教の多くは失われていたでしょう。神は説教者だけでなく、その働きを記録する人も用いておられたのです。
私たちへの問い
カルヴァンがこれほどまでに説教を重んじた理由は、とても単純でした。
聖書は神の啓示だからです。
もし本当にそう信じるなら、説教は単なる講演ではありません。
礼拝の中心となります。
そして、その務めは、自分の考えを語ることではなく、神がすでに語られた御言葉を忠実に語ることです。
カルヴァンが残した最大の遺産は、『キリスト教綱要』だけではありません。
神の御言葉を、一節ずつ、忠実に語り続けた生涯そのものだったのです。

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