うれしくない話を喜んでする人はほとんどいません。つらく、苦しく、悲しい話を是非聞きたいという人も多くはないでしょう。ましてやそれが自分の大切なものの悲しい結末であるならば、耳を閉ざしたくなるのも当然のことでしょう。しかし、そのような結末を迎えないためにも、また残念ながらそのような結末を迎えた時の備えをするためにも、時に私たちは聞きたくないことに耳を傾けなければなりません。

2015年時点で日本におけるプロテスタント教会数は約7,900でした。数の推移だけを考えるならば、ここ数年の教会数増減はそれほど大きな変化を見ることはできませんが、これらの教会の多くは40人弱という全国平均礼拝出席者数を大きく下回っています。事実、全体の60%を超える教会が平均礼拝出席者数30人に満たないことが分かっています[1]。単に礼拝出席者数が少ないというだけでなく、高齢化に伴う教会の実情は教会の将来を憂う大きな要因です。

日本全体の少子高齢化による人口の減少問題はすでに周知の事実ですが、教会における実情は国が抱える状況よりもさらに深刻な状態であると言わざるを得ません。教会に集う者たちの六割近くが60歳以上で、30歳以下は7%に満たないと言われる日本の教会の半数近くが70代以上の牧師によって牧会されています(60代を含むと七割を超えます)[2]。若い世代が圧倒的に欠落する日本の教会は今、10年後、20年後を真剣に見据えて、過去を精査し、現状を見直し、未来に向けて主に喜ばれる働きをなしていかなければならない時を迎えています。「教会はその存続を左右する大きな岐路に立っている」と言っても過言ではないのです。

岐路に立つ教会がなさなければならないことは『死にゆく教会』にならないことです。『死にゆく教会』には往々にして同じような過程を辿ります。どれだけ大きな教会だとしても、もしこれらの過程の中にいることを気づかずにいるならば、教会としての『死』の道を歩むことになるでしょう。これから挙げる六つの過程は必ずこのように起こるというような絶対的なものではありませんが、様々な教会において実際に見て取ることのできる過程です。『教会の死』など誰も考えたくないことです。しかし私たちは今この現実を正しく見つめ、死にゆくことのない教会を建て上げることに努めなければならないのです。[続く]

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[1] 『データブック 日本宣教のこれからが見えてくる』の統計では平均礼拝出席者数が50人以下の教会は全体の80%を超えています。
[2] 『キリスト教新聞社』による2015年のアンケートに基づく数字です。